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2020.01.09

富士市のユニバーサル就労支援事業が内閣府表彰  全市一体の取り組みを評価

富士市のユニバーサル就労への取り組みが国から高く評価され、昨年暮れ、内閣府の特命担当大臣表彰を受けました。平成29年2月の条例制定からまもなく3年。全市一体となった地道な取り組みが国レベルで認められたことに、これまで支援事業を中心となって引っ張ってきた関係者からも喜びの声が上がっています。

富士市が受賞したのは内閣府主催の令和元年度バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰で、内閣総理大臣表彰に次ぐ2番目の高位表彰。自治体としては全国唯一の受賞でした。12月26日に開かれた表彰式には小長井義正市長が出席し、衛藤晟一担当大臣から表彰状を受取りました。また表彰式後の懇親会では小長井市長から安倍晋三総理大臣や衛藤大臣に事業概要を報告したところ、国の制度にもない取り組みに関心が寄せられたということです。

 

表彰対象となったユニバーサル就労支援事業は、全国初の条例制定を受け、29年4月からスタートしました。富士市の事業のオリジナル性は、既存事業でも展開されていた一般の若者や高齢者の就労支援に比べ、従来では対象外となってしまっていた、いわゆる「グレーゾーン」の方も含め、誰もが働くことができる仕組みを整え、一人ひとりに合わせたオーダーメイドの就労支援を行っていることです。

 条例ではユニバーサル就労の理念のほか、行政、市民や事業者の責務も定め、市が一体となって取り組みを推進しています。またこの条例の理念を達成するために設置した「ユニバーサル就労支援センター」では何かしらの働きづらさがあり、通常の就職活動では仕事がなかなか決まらない方の支援を行っています。

こうした支援の結果、センター設置から2年半で、センター利用者131人のうち70人の就労が実現しました。就労者に対しても早期退職を防ぐために、同センターが相談者と認定協力企業の間に入り、お互いの意見を調整し納得するまで支援を行う「定着支援」も行っています。

 さらに就労実現のためには働く場の確保も大切と、ユニバーサル就労の理念を理解し、協力いただける市内の企業を「富士市ユニバーサル就労推進事業認定協力企業」に認定しています。これまでに120社を超える企業が就労の受け皿として登録してくれています。

 またこの制度を市民に浸透させるため「サポーター制度」を導入して、市民や企業にユニバーサル就労について口コミで広めていただいています。サポーターは昨年暮れまでに490人に上っています。このほか地域社会と繋がりがない(町内会に加入しないため広報紙が届かず市の施策を知らない等)方も就労できるよう、制度の周知をするなど、市全体でユニバーサル就労を見守る体制を構築してきたことが、受賞の大きな理由となりました。 

(M)